オタクの鉄人
オタクの鉄人〜オタク業界のリーダー達に問う〜
第5回「経済アナリスト 森永 卓郎氏」part2

オタク業界のリーダー達に成功の秘訣や考え方、今後の企業・業界の展望、プライベートの過ごし方まで徹底インタビューするオタク・オタク業界で働きたい人、必見のおたまっぷ新コンテンツ「オタクの鉄人」。
第5回は、テレビ・ラジオ・新聞など各種メディアに引っ張りだこ!人気コメンテーターであり、ミニカー・食玩等のコレクションは10万点を超えるという日本屈指のコレクター!萌えビジネスを鋭く考察した、著書「萌え経済学」は業界関係者のバイブルにもなっているオタク業界きっての知識人、経済アナリスト 森永 卓郎氏のインタビューです!

〜前回の続き〜

-オタク業界の今後の展望についてお聞かせください。
メイドカフェ関連でいうと、メイドブームのピークが2006年だったと思います。そこから現在2方向に変化をしていっていて、1つはメイドというキャラクターで業種展開していくという形。メイドゲーセン、メイドバー、メイドさんのいるメガネ屋さん、メイド美容室なんかもそうですよね。もう1つはメイドカフェという器に別キャラクターを入れていく形。猫だったり、女中だったりというキャラクター・コンセプトの変化ですね。みんなある程度の成功を収めていると思うのですが、「これだっ!」というものがないような気がします。それだけ個人の趣向の多様化が進んでいるのかもしれませんね。
個人的には「ツンデレカフェ」をどうしても実現して欲しいですね。カフェの一時的なイベントでは何度か開催はされていると思いますけど。人間には「安楽欲求」と「快楽欲求」という2つの欲求があります。安楽というのは、快適さそのものです。例えば丁度良い温度の暖かい部屋を丁度良い明るさにして、羽毛布団に包まれているような何1つ苦痛がない状態。人間安楽を求めるんですけど、それに夢中にはならないんですよね。
夢中になるのは快楽なんです。快楽というのは「刺激の変化」です。例えば普通にお水を飲んでも美味しいと思うけど、もっと美味しいのは炎天下の砂漠に出て、喉がカラカラになって死にそうな状況になった後でエアコンの効いた部屋で飲む生ビールは、普通に飲む水よりもはるかに美味しいんですよね。遊園地へ行っても観覧車とかメリーゴーランドはそれなりに楽しいんですけど、ジェットコースターの方がもっと楽しいんですよ。この萌えビジネスのジェットコースター版、快楽を提供するというのが私はツンデレだと思っています。
-「ツンデレカフェ」ですね。
そうですね。ただツンデレはとても難しいんです。なぜ難しいかというとお客様を心理的にどんどん追い詰めていって、これ以上やると心が折れちゃうという寸前で聖母のような優しさで手を差し伸べなければいけないわけです。この心が折れちゃうラインというのが人によって違うんですよ。あとデレは比較的簡単にできますが、ツンは疲れるし、難しいんです。女優並みの演技力があり、かつツンとデレの切り替えのタイミングが的確にわかる心理学者並みの精神分析力があって、更にオタクの知識があるっていうのは相当ハードルが高いですよね。ただ業界的にこういう快楽型のサービスが増えると面白いと思います。

-業界への提言はございますか?
アニメや日本のサブカルチャーの文化はどんどん世界に広がっていますよね。その中でも日本の最大の技術力の資産というのは「かわいい」ということなんだと思います。日本のアニメはみんなかわいいけど、例えばアメリカのコミックスで「バットマン」とか「スパイダーマン」、「超人ハルク」なんて全然可愛くないですよね。その「かわいい」をいかに商品に体系化していくかっていう部分を考えるべきだと思います。
そのビジネス構造のモデルってイタリアなんですよね。イタリアは家具・化粧品・香水・バッグ・靴など色々な世界的に人気のある商品がありますよね。そのあらゆるものにイタリアの感性が溢れている。それはイタリアじゃないとダメなんですよね。やっぱりイタリアの商品だと。そのイタリアの感性と同レベルに日本の「かわいい」は絶対にあります。その日本のすべての産業分野が取り込んでいくべき原点になるのが、私はオタク・萌えビジネスだと思っています。
この部分を政府は余り理解していないんですよね。バイオ・テクノロジーとか、ナノ・テクノロジー、ITなんていう分野は大好きですけど、オタクっていうものはずっと蔑ろにしてきましたし。現在は少しずつ風向きは変わってきていますけど。私はオタク・萌えのビジネスが日本の主力産業になると思います。
-森永先生のお気に入りのオタクスポットはどこですか?
やっぱり原点に戻っちゃいますけど、一番いて落ち着くのは「CURE MAID CAFE'」ですね。スカートも長いし、すごくオーソドックスな形のメイドカフェなんですけど、逆に今はオーソドックスなメイドカフェって少ないですからね。あそこに行くとなんかホッとします。

-オタク業界で働くことを目指している人へのアドバイスをお願いします。
オタクであることを堂々と宣言すれば良いと思います。昔みたいにオタクだからといって社会から差別されるケースというのはすごく減ってきていますし、素直に「私はオタクです」と言って、オタク同士仲良くすれば良いと思いますね。今のオタクの男性って現実の恋愛に恵まれてないじゃないですか。でも女性のオタクの場合はオタクじゃない方との結婚が成立するんですよね。本当に一番良い形はオタク同士のカップルが世の中にいっぱいできる事だと思うんですよ。その為にはまず「私はオタクです」って宣言していかないといけませんよね。そうすると人間関係だけじゃなく、ビジネスも広がると思いますね。

-将来の夢は?
綾波レイ型のミュータントが欲しいです。
-ミュータントですか!?
日本のロボット技術と人工知能の技術と人工皮膚の技術などその他諸々の技術を集結すれば10年先くらいにはできると思います。発売されたらまっさきに買いますよ。綾波レイのミュータントを連れて銀座の歩行者天国を歩くというのがとりあえずの目標です。
-アキバとかでそういうミュータントを連れたイベントとか流行りそうですね。
そうですね。みんなちょっとづつオリジナル色があって。「うちの綾波、髪の毛パープルなんで」とか言って(笑)
-お休みの日は何をされてますか?
この7年間1日も休んでないんです。少しでも時間があれば、アキバで色々なお店を見たり、フリーマーケットに行ったり、イベントに行ってグッズを買ったりしたいですね。
-現在はまっているものはありますか?
今新しく始めたのがガムの包み紙のコレクションなんですけど、例えばロッテの普通のガムあるじゃないですか。あの包み紙って全部一緒だと思っていたんですけど、何種類もあるんですよ。どんなに少なくても2種類。普通4種類で多いのだと8種類くらいあるみたいです。
-同じガムでですか?
そうですね。その事に気づいてから今片っ端からガム買ってます(笑)ドラえもんのガムの包み紙の種類の多さは物凄いですよ。多分50種類以上あると思います。しかも15種類以上集めるとドラえもんフィギュアが貰えるので、なんか最近は朝から晩までドラえもんガム食べてます(笑)
-フェイバリットアイテムは何ですか?
ドラえもんの映画に行くともらえる「入場者全員プレゼント」のおもちゃですね。あれが始まった最初の回のおもちゃから完全に全色揃っています。小学館が以前「ぼくドラえもん」という雑誌を出した際に、ずいぶん探したそうなんですけど、小学館が把握できた範囲内でいうと、完全に全色そろっているのはうちだけだったそうです。小学館にもないそうです。
-人生の座右の銘は?
「夢は持たない」ですね。
どういうことかというと、何かをいつかできたらいいなって思っている人っていっぱいいるんですよ。「定年になったら豪華客船で世界一周旅行したいな」とか。「いつかできたらいいな」というのはたいてい実現しないんです。実現している人は、今すぐやるんですよ。思いついたらすぐやる。例え1ミリしか進まなくてもいいから、まずやる。「カメラマンになりたいな」と思っている人は多分カメラマンにはなれないですし、「将来小説家になりたい」と思っている人は多分小説家にはなれないです。なれる人は今すぐ小説を書くんですよね。カメラマンになってる人っていうのはすぐシャッターを押すんですよ。
そういう行動の方が大事なんです。写真学校に行くのは後からでもいい。写真を撮ってて自分で苦労して「何でうまく行かないんだろう」と思ってから学校へ行くと、もう砂が水を吸うように理解できるんですけど、まったくの素人が行っても右から左へ話が出て行って忘れちゃうんですよね。だからとりあえずまずやる。で、ダメだったらすぐ引くっていうのが、一番良い人生だと思います。
-ありがとうございました。
森永卓郎 公式HP
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森永卓郎/著
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